今回は、鳥取県立美術館 副館長の齋藤 正樹 氏を講師にお迎えし、「県立美術館開館後の動き、これからの取組について」と題した講演会を開催しました。
冒頭では、開館記念イベントにおいて1.5万人超の来場があったことや、3日間でSNS投稿が20万件を超えたという大きな反響について報告があり、県立美術館の注目度の高を改めて実感しました。
来館者アンケートでは、6割以上が展示を「よかった」と評価しており、美術関係者からの評価も概ね好意的であることが紹介されました。一方で、観光客の動向やゴールデンウィーク時の仕掛けについては、今後の課題として改善の余地があるとのことです。
注目を集めた話題のひとつが、アンディ・ウォーホルの《ブリロ・ボックス》の保有について。アンケートでは、「継続すべき」40%、「説明の充実が必要」23%、「再検討すべき」19%と、意見が分かれる結果となりました。これについて齋藤氏は、「疑問の声が上がることは、逆にチャンスでもあります。引き続き丁寧に説明を重ね、理解を得る過程そのものが注目を集めるきっかけになる」と語り、作品に対する社会的関心が高まることを前向きに捉えておられました。
また、グッズ展開については、著作権の制約がある中での苦労も紹介されましたが、宝製菓とのコラボ商品は販売直後から反響を呼び、生産が追いつかないほどの人気となった成功事例として紹介されました。
さらに、ナイトミュージアム、ユニークなレセプション、コレクション展パートナー制度、アートアラーニングラボなどの取り組みについても紹介され、美術館が文化の発信拠点としてさらに発展していく展望が語られました。
美術館の今とこれからを知る、大変貴重な講演となり、参加者からも多くの関心と期待の声が寄せられました。
日時:令和7年6月26日(金)18時00分開始
場所:BARCOS 集いの森
日程:
– 18:00~19:00 講演会
– 19:00~ 交流会
内容:講演会
– 「県立美術館開館後の動き、これからの取組について」
講師 鳥取県立美術館 副館長 齋藤 正樹 氏