今回は、鳥取県立美術館の意匠設計を手掛けられた株式会社槇総合計画事務所の松田浩幸さんの案内で、館内を見学させていただきました。松田さんからは、建物の設計に込められた想いや構造・仕様について丁寧にご説明いただき、美術館を支える工夫の数々を学ぶ貴重な時間となりました。
松田さんの案内を通じて、美術館の機能性とデザインの融合、そして地域の風景や文化を大切にした設計への想いを深く感じることができ、大変貴重な時間となりました。この鳥取県立美術館が、訪れるすべての人に新たな感動を届ける特別な空間となることを祈っております!ぜひ皆さまも足を運んでみてください!
日時:令和6年10月24日(木)16時00分開始
場所:鳥取県立美術館
日程:
– 16:00~17:30 鳥取県立美術館見学
– 18:00~ 交流会(武双)
株式会社 槇総合計画事務所 主任所員 松田 浩幸さん
玄関口は都市的な印象を与えつつ、利用者の動線や快適さを徹底的に考慮した設計にされています。
ミュージアムショップのテーブルや棚の木材には、加工を加え周囲と調和させる工夫も施されていました。
虫の侵入を防ぐ2重扉の工夫や、陰圧にすることでミュージアムカフェの香りが館内に広がらない仕掛けなど、細部にわたる配慮がなされています。
館内の床材には樹脂を染み込ませた素材を採用し、傷がつきにくいだけでなく、複合フローリングにより部分補修が容易でメンテナンス費用を抑えられるよう工夫されています。
キッズスペース、授乳室、広々としたトイレがあり、お子様連れの方でもゆっくりできます。
一階には工作室があり、訪問者が体験を通じてアートに触れる場も用意されています。
三階では天井をあえて低く設定し、茶室のような心理効果を狙った落ち着いた空間が広がります。
最上階にメイン展示室を配置することで、上から下へ巡る「シャワー効果」を狙った設計が印象的でした。また、美術品の保管には2時間耐火の扉や水を使わないガス消火など、徹底した安全対策が施されています。
メイン展示室
展望スペースでは、松田さんが最初に倉吉へ訪れた際に、「倉吉の山並みを眺めると、まるで風景に溶け込むような穏やかな印象を受け大変感動した。」とのお話がありました。
展望テラスと2階を繋ぐ屋外階段を下ると、テーブルと椅子がありゆっくりできるスペースとなっていました。
2階に展示室は5つあり、それぞれ展示内容に合わせて最適化されています。
美術館全体が訪れる人の快適さや使いやすさを追求しており、弱視の方でも案内が見やすいよう、案内図が黒地に白文字で表記されています。
開館は2025年3月30日ですが、様々なワークショップを開催されており、開館前の美術館を楽しむことができます。公式ホームページをぜひチェックして、イベントに参加してみてください。
鳥取県立美術館公式ホームページ